達磨 蕎麦の会(その2)

2011年12月26日 11:27

 12月20日に開催された「達磨蕎麦の会」で撮った写真及び感じたことなどを掲載します。
 素人蕎麦打ちとしての観点からのものでして、興味を覚えた部分を写真にしています。

お膳
受付を終わって、席に着くと出されたのが下の写真。毎回ほぼ同じのようです。

  2aIMG_1741a.jpg

お酒は、栃木の「四季桜」、まったく癖のない良いお酒です。豆腐は、箱根の暁庵というところで作っているもので、この会専用に作ったものだそうです。ほっこりとやわらかく出来ていました。


主役の蕎麦

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やや細身です。これが3枚、次々とだされます。
1枚目は良好でしたが、2枚目は少し乾き始めておりまして、ちょっと残念でした。
大人数(お昼のみで900食)のお客が相手であったからと思います。蕎麦屋の店としてのサイズというのは、客の顔を見ながら作業が出来る程度の大きさが適当なのかもしれません。


会場入り口の様子
3人の流れ作業になっていました。

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右側のお弟子さんがもっぱら水回し、中央は丸出し~角出し。左側で背中を見せて切りを行っているのが高橋邦弘氏で、延しと切りを担当していました。


水回し(1)
予定量の95%の水をボールに入れて、一揆加水です。水の中には、あらかじめ前の作業で出た切り屑が漬けてあります。
写真では、水は粉の下に隠れてしまっていて、切り屑が粉の上に見えています。

  4aIMG_1760.jpg


水回し(2)
このあと、どんどん攪拌し、下のような状況

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砂粒から育てていくという、いわゆる造粒ではありません。水回しを担当していたお弟子さんに「どうなんですか」と聞いてみたのですが、特に明快な回答はありませんでした。「味への大きな影響はないのだから、これで問題はない」というようなことかな、と思いました。
 水回しは非常に大事だ、とよく言いますが、プロ中のプロがこれで良しとしているのですから、造粒にあまりこだわる必要はないのかなという気がしています。(が、私としては、とりあえずは造粒方式でやっていこうと思っています。)


菊練りの途中

  6aIMG_1755.jpg

私もこういう姿にしたいと思って、練習しているのですがなかなか上手くいきません。


菊練り操作の様子

  7aIMG_1770.jpg

右手の付けね付近を使って菊の花びらが作られています。
また、玉の中央に向けて練りこんで、中央部分がへこむ形ではなく、中央部がやや尖っています。(上の写真参照)この辺がポイントでしょうか。
このあと、更に細かい花びらの菊が作られ、玉の底の部分が非常にきれいな半球になります。


地延し、たたみ

  8aIMG_1758.jpg

高橋氏のたたみが始まる頃には、空いたスペースで地延しが行われます。


丸出し

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生地は反時計回りですので、右手側(東側)に厚みのある部分が現れてきます。
そこで、その部分を主な対象にして延しが行われています。( 「丸出し-なぜ片側が薄くなるか」参照)


高橋氏の角出し(1)

  10aIMG_1752.jpg

丸出しは約80cmですから、中央部分にのみ圧力がかけられています。
生地に圧力をかけるとき、わずかですが前後に揺するような動きがあるように見えるので、「押さえるのは、先の方向へ転がすときだけか?手前に向けて押さえる等のことはないのか?」と質問しましたが、「ない」ということでした。(でも、実際はそうなっているのではないかなぁ、と私は思ってまして、この辺の疑問はまた別途考えてみたいと思います。)


お弟子さんの角出し

  11aIMG_1767.jpg

中央部分のみに、指先をそろえるようにして圧力が加えられています。
この手の形は、高橋氏も同じです。


高橋氏の角出し(2)

  12aIMG_1778.jpg

圧力をかけたあと、手を離して転がされています。
巻いた生地に圧力をかけると必ず「たるみ」がでます。転がすことでこのたるみを取っているのだと思われます。(この点を聞くのを失しました。来年、聞いてみようと思います。)


切り(1)
後ろ姿です。

       13aIMG_1747.jpg

左手の押さえが効いています。腕で押さえるというのではなく、肩~上半身で押さえているように見えます。以前、高橋氏に「左手はどのくらいの力で押さえるのか」と聞いたのですが、「しっかり押さえる」という返事でした。(「切りの際、麺帯がなぜ斜めになるのか。」参照)


切り(2)

  14aIMG_1784.jpg

いわゆる内包丁というのでしょうか。
駒板の枕の平面はほとんど使われず、枕の下の角の直線部分だけが接しているように見えます。
腰だめにした包丁が、前方に向けて突き出されて行く、という感じになっています。
駒板には、指の位置のところに凹みが出来ています。長年、しっかり押さえ続けた結果だと思われます。


切り(3)

  15aIMG_1749.jpg

見てますと、駒板は結構左右にぶれていました。
それでも、きれいな麺線になっています。
また、包丁は刃先から入っていっています。


組み立て式の打ち台(おまけ)

  16aIMG_1772.jpg
  
個人的に、こういう木工製品には興味があるので、写真にとりました。
横と斜めの部材は、噛み込ませてあるだけです。



コメント

  1. 麺殿 | URL | -

    蛇足ですが

    新テーマが出てるのに、こちらへのコメントで恐縮ですが
    (砂粒から育てていくという、いわゆる造粒ではありません。)
    私の地元に評判の蕎麦屋があります。脱サラで特に師匠は持ちませんが、開業前に地元のテレビ局の幹部が「蕎麦屋よりうまい蕎麦が食べられる」といって総理大臣を連れてきたという逸話があります。主によりますと、開業前は逐次加水だったが、時間が惜しいので開業してからは一気加水にしてるとのことです。もっともせいろは二八で、更科は半湯捏ねですが。
    (生地に圧力をかけるとき、わずかですが前後に揺するような動きがある)高橋さんは角出しを2回で済ますことがありますが、それと関係あるように思いますが。

  2. たか陶 | URL | -

    水回しと角出し

     水回しの大きな目的は、水と粉を全体として均一に分布させること(いわゆる水の一粒と粉の一粒を合わせること)だと思います。そのための手法として、砂粒を育てるやり方が一般に採られるのは、状態が直裁にわかるので、実施が確実だからではないかと思います。
     一揆加水にすると、(技術的に未熟だと特に)ダマが出来やすく、上記の目的を達成しにくいからではないでしょうか。したがって、逆に言うと、ある程度の技術をもって、水と粉の均一分布が果たせられれば、それでよい、ということになります。
     更には、費用-効果(時間-効果)の観点から、多少ダマっぽいものがあっても大勢に影響はない(最終的な味は、必ずしも水回しに掛かってはいない)という判断も見逃せないと思います。

     角出しについてですが、当日、高橋氏は2回でやってまして、(本延しも含め)形もあまり気にかけていないようでしたね。
     「前後に揺する」点についてですが、高橋氏のビデオを遅送りで見ますとごくわずですが、後ろに引いているように見えます。絶対的な要素ではないにしろ、意味があるのではないか、と思います。
     それよりも、力の加え方(手の形など)と加える場所をどうするかということのほうが重要で難しいと、今の私は思います。

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