「繋がる」ための「加圧」(2)

2011年09月06日 20:38

高橋邦弘氏に「蕎麦大全」(日本放送出版協会) という本があります。
「練り」の章で、氏は「加圧」の重要性を言ってい(るように思い)ます。
sobataizen.jpg

 高橋氏は、捏ね作業の段階を「菊練り」と呼称しています。
 水回しの後、ひと纏めにされた生地は、いわゆる菊練りの動きで捏ねられていくからだと思われます。

下の映像では、お弟子さんが捏ねていますが、動きは高橋氏と同じです。



 (高橋氏が言う)菊練りについて、上の本では、次のような書かれています。

 菊練りの目的は、たんに生地を丸くまとめるごとだけではない。この工程の最も重要な目的は、生地を充分に練り込むことによって、粉の1粒1粒にしっかりと水分を吸収させることなのだ。
 たしかに、水回しをていねいに行っていれば、粉の1粒1粒に水が回っているはずである。しかし、水回しの段階では、粉全体に均等に水分が行き渡らせることが目的だ。
 つまり、水回しが終わっても実は、粉と水とはまだ充分には結びついてはいないのである。極端にいえぽ、水は粉の粒子の表面に付着している状態で、粒子の内部にしっかりと食い込んでいるわけではない。したがって、このままの状態の生地では、そば粉自体が持っているつながる力が充分に発揮されないわけである。
 そこで菊練りの工程が不可欠になる。
丹念に練り込むことで、粉の1粒1粒に水分を吸収させそば粉の粘りを引き出してやらなければならない
 (中略)
 木鉢の曲面を利用しながら表面がなめらかになるまで練り込む。耳たぶぼどの柔らかさで、表面には照りが出ている状態だ。
 これを「面が出る」という。

 少し、ポイントを纏めると、
 「水回しは、粉全体に水分を行き渡らせた状態であって、粒子の内部にまで必ずしも十分に浸透しているわけではない。水分を粒子内部にまで浸透させることで、粉の粘りが引き出せるのだから、木鉢の曲面を利用して表面が滑らかになるまで、練り込まねばならない」と言っています。
 つまり、圧力をしっかり加え(=しっかり捏ねて)、粉の芯にまで水分を浸透させるのだ、ということです。この結果、(適度な加水量であれば)余剰の水分が外側に出てきて、木鉢の面に接する部分には美しい照りが出てくる。‥ということになります。

 今回、なにが言いたいかというと、繋がりが良くするには、やはり、生地を加圧すること(粉や水の粒(=分子?)同士の距離を近づけること)なのではないか、ということです。
 高橋氏の例では、粉粒の芯の部分にまで加圧によって水分を送り込むと同時に、粉同士あるいは粉と水の距離を接近させ、繋がり方を強化する、ということだと思います。



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