「練る」か「捏ねる」か

2011年08月18日 21:08

 木鉢の作業は「練る」なのか「捏ねる」なのか。
 どっちでも良いっちゃぁ、良いのですが‥。
 色々な本を見ても、用語の使い方はそれぞれです。
 私は、「捏ねる」の方が適当のような気がします。これまでにも述べているように、そば打ちの一連の動作は「加圧」が基本だと思うからです。でも、「練る」にも「加圧」の要素が入っていますし、両者の境界がそもそもはっきりしていません。
 つまりは、どっちでも良いといえば良いのですが、私は、「捏ねる」という意識で作業をした方が良いと思うものですから、少しこだわっている訳です。

 両者の意味は、辞書では次のようになっています。(福武国語辞典)
①【練る】固いものや粗いものを、こねたりたたいたりして、柔らかくむらがない状態にする
②【捏ねる】土や粉などに水分を加えて練り混ぜる

 →「練る」では、「柔らかくむらがない」という目的が示してありますが、「捏ねる」では、「練りまぜる」という行為を示しています。
  言葉の意味としては、「練る」が包括的で、「捏ねる」は「練る」のうちの少し狭い行為を指すようです。

 両者の使い分けについて、ネット(類語辞書-goo辞書)を見ると、次のようになっています。
「練る」は、手を加えることによって状態をよい方向に変化させることをいうが、「捏ねる」は、水などを加えて混ぜ合わせひねりまわす動作そのものをさし、状態をよくするかどうかは問題としない
②「練る」は、「計画を練る」「文章を練る」のように十分にあれこれ考えて修正したり、修行に励むなどして、ものや人の状態がよくなることもさす。
③「捏ねる」は、「彼は理屈ばかりこねて何もしない」のように、考えや言葉をひねりまわし、無理なことをいう意で比喩(ひゆ)的に用いられる。

 →「練る」がなんとなく上等な行為で「捏ねる」は下位におかれているようです。

 これはなぜかというと、「捏ねる」という言葉がもともとは「小(こ)練る」であったからと思われます。(これは個人的推量)

 辞書(福武国語辞典)で「こ(小)」を見ると次のようになっています。
(3番目に)③ちょっと。なんとなく。例「こぎれい」「こざっぱり」「こ耳にはさむ」等
④きらったり、軽蔑したりする気持ちを表す。例「こ利口な男」「こ憎らしい子」「こせがれ」等
 
 従って、「練る」が本来の言葉であるが、必ずしもそこまでは本格的でない「練り」の行為を「こ練る(捏ねる)」というようになったのではないでしょうか。これと類似の言葉にはこのほかに「突く」と「こづく」、「削ぐ」と「こそぐ」などがありますね。

 一応、「練る」と「捏ねる」のそれぞれの意味と使い分けは、解かったような気がします。
 では、木鉢の作業は、「練る」と「捏ねる」で、どちらが適当か。
 
 私の個人的な語感ですが、「練る」には、ねっとりした感じが強いように思います。例えて言えば、子供の頃に遊びながら食べた水飴。どんどん練って、空気を混ぜこんで、そして色が白く変化して、完成。「状態を良い方向(?)に変化」させているようです。
 一方、「捏ねる」の代表例は、陶芸。名詞としては「菊練り」と言い習わしていますが、動詞で使う場合は「(土を)捏ねる」といいます。適度な硬さ(柔らかさ)の土を捏ねて、空気抜きをするとともに全体を扱いやすい柔らかさにします。土には大きな状態の変化はなく、「動作そのものを指し」ているといえますす。
 
 さて、木鉢の作業ですが、どちらが適当でしょうか。
 (個人的な)語感からしても、また、言葉の使いわけの①からしても、さらには、(これまた最も個人的意見ですが)「加圧」という作業の目的からしても「捏ねる」が適当ではないか、と思います。
 ま、どっちでも良いっちゃぁ、良いのですが‥。
 


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