メディアは風評と戦え

2011年04月17日 11:25

 原発被害に加えて、風評被害という2次災害が被災地やその周辺地域を襲っています。
 元はといえば、所要の情報の配布を怠っている政府に第一の責任があるのですが、メディアにも同等の責任があります。

 どのテレビ局の報道を見ても、風評被害の現況を報道するだけです。
 先日見たNHKの番組では、風評被害を受けている農家や販売店や農協の無念や怒りの模様をビデオでまとめた上で、番組の総括のコメントとしては、「消費者は、冷静な対応が求められています。」「どう対応するか今後の課題です。」などと言っておりました。
 完全に他人事のスタンスです。
 いうなれば、「私たちのメディアの仕事は、風評被害の状況をお知らせするというところまでです」ということなんですね。
 
 その番組は、酷いものでした。
 内容は、そこにとどまらず、チェルノブイニの映像を重ねながら放射能の恐ろしさを解説し、ご丁寧にも、放射性物質が畑に降り注ぎ、農作物(その時は、ほうれん草)に付着する様子をアニメにして見せ、とどのつまりには、基準値の何倍の数値です、と直ぐには理解できないデータを見せるわけです。で、どうしたらいいんだ?という肝心要の答えは示せない。
 つまりは、メディアがマッチポンプになって風評を助長しているのです。

 メデイアの本来の使命は、真実を求め、真実を報道することであるはずなのに、風評に敗けている己の無能さを満座の席に晒しているということが、全然解かっていません。
 大災害というこの異常の事態に対して、メディア自信も積極的に関与しなければならないという発想がほとんどないのですね。(あるのかもしれませんが、それが見えません。)

 それでいて、普段は、社会の木鐸だとか公器だとか良識だとか誇らしげに言っているのですから、呆れるしかありません。
 今、政府が全く頼りにならないのですから、それこそメディアは総力を挙げてこの事態に対応すべきです。
 本来ならば、準国営放送であるNHKが、民放と同じレベルでの報道の競いあいなんかばっさりやめて、その先頭に立つべきなのです。

 例えば、大学や関係学会等を動かし、細かい情報を集め、各地の現在の線量値や農産物の状況などをテレビ画面に定期的に表示し、その上でそのデータの意味を懇切に説明するということを、一日中でも放送し続けるということがあって良いはずです。

 今、どの野菜が出荷制限されていて、何がOKなのか。そして、それの放射線量は具体的にいくつなのかを表示する。勿論、その放射線量が健康に与える影響が、実際どうなのかを、おばさん達の納得を得るまで繰り返し繰り返し、お得意のアニメなどを駆使して説明するのです。更には、信頼感のある学者などに「私は、これ普通に食べます。私の孫にこの水道水、普通に飲ませます。」と言わせるのです。

 風評の大元は、つまるところ(現政府との)信頼関係の欠如にあります。
 病気になった時、こむずかしい話はさて措いて、信頼できる医者に身も心も任せるではありませんか。このような信頼関係があれば、話は一発で済みます。メディアは、こういう工夫も凝らしながら、毎日でも放送をするべきと思います。

 確かに、ネットでは、相当の情報が流されています。
 しかし、多くの国民にとって、特に風評の担い手になるおばさん方(失礼)には、やはりテレビが一番なのです。
 
 風評に走るのは、信頼できる情報そのものが得られず、理解も困難で不安だからですが、その責任の半分はメディア(NHK)にあります。
 メディアは、風評の前に屈している今の姿を恥じて、「頑張れ東北」なんて言う前に、自分たち自身こそが風評という災害に対して敢然と立ち向かえ、と言いたいですね。


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