軍隊の本領

2011年04月09日 10:33

 軍隊とは、現実に起こり得る、戦争という国家の最大危機に備えるための存在です。国家間のトラブルは外交という話し合いで解決すべきだ、などという議論がありますが、その外交努力が効を奏さず、もう他に手段のない場合の最後の砦として、他に依存せず独力で戦うことを義務付けられています。
 今回、この軍事力の意味を体感したという声が、反軍事的思想の強い沖縄からも上がってるようです。
 警察、消防、その他あらゆる階層の力を動員して、この災害に対する果敢な戦いが繰り広げられていますが、災害の規模が非常に大きいことから、最も大きな成果を挙げているのはやはり軍隊(自衛隊+米軍)であろうと思います。
 その活躍ぶりは、多数メディアで報道されていますが、この軍隊の本領を良く表しているのが次の写真だと思います。

 この写真は、米海軍の強襲揚陸艦「エセックス」の艦内から、救援に必要な資材と人員を搭載した上陸用舟艇(L C U)が、まさに出発するところです。この写真を見て、私は、ここはやっぱり軍隊の力なんだなぁ、と思いました。 写真右の明るくなった部分は、艦尾の開口部です。(クリックで拡大

           110401-N-9950J-012.jpg


 有事であれば、装甲車あるいは戦車等と武装した戦士が搭載されるのですが、本"Operation Tomodachi"においてはドーザー2台とスコップ等を持った海兵隊隊員が数十名乗り込んでいます。
まさに、大災害被災地という戦場に赴き、国の危機に立ち向かう軍隊の姿です。
 下の写真は、艦尾の開口部から海上にでて、目的地(宮城県大島)に向首しようとする状況です。

110401-N-9950J-172.jpg

 こうして、数隻の上陸用舟艇が同時にあるいは繰り返し陸上を目指すわけです。
 また強襲揚陸艦は、ヘリも搭載しており、空と海から機動的な作戦を行なう海上基地になります。

USS_Essex_Thailand.jpg

 我が国では、残念なことに、未だに強い軍事アレルギーが蔓延しております。
 古来から「言霊(ことだま)(※)」という考え方がある上に、先の大戦の敗戦という暗い記憶がこれに重畳し、さらには戦後教育による軍事の忌避、蔑視という刷り込みが行なわれ、軍事に対する見方、考え方が非常にアンバランスなものになっているからです。
 私たちは、なんとなく「力は悪である」という考えを持っていますが、これは国際常識から外れています。
 「力なき正義は無効であり、正義なき力は暴圧である。」 という言葉がありますが、正しくコントロールされた力を持つべきであり、我々日本人はそれがきちんとできる国民です。 

 そうなっていない一例ですが、今回の災害の対処に当たって、本来なら官邸において総理大臣と制服トップである統合幕僚長が、常に直接情報交換をする位の関係があるべきなのですが、残念ながらそうはなっておらず、効果的コントロールになっていないように見えます。(先般の菅総理の「自衛隊の皆さんに感謝する」という旨のコメントにはガックリしました。ご本人は、自衛隊が自分の直接の部下であるという知識はあっても自覚に至っていないのでしょう。3Kの専門団体とでも思っているのでしょうか。)

     oriki.jpg
     統合幕僚長折木陸将(左)


 今回の大災害は非常に不幸なことですが、転禍為福、私たちは軍事に対する関心を高め、軍隊という国の財産を育てることが必要です。
 それは難しいことではありません。
 自衛隊に対して、「ありがとう。なにかの時には、しっかり頼むよ。」と
 素直にこの気持ちを持つだけで良いのです。
 

(※)言霊信仰
 言葉には霊が宿っており、忌み言葉を使うとそれが実現してしまうから使ってはいけない、などという考えのこと。この考えで行けば、「戦争」について話すとその言葉の霊の力で「戦争」になってしまうことになる訳です。これは、逆に「平和」を唱えると戦争は起きない、などという考えに繋がっており、更には、憲法9条があれば戦争にならない、と繋がっていく。ここまで来るとおかしいですね。(井沢元彦さんの著書は面白いです。)


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