--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

時効

2011年01月06日 22:04

時効と言っても、犯罪の「時効」ではありません。
 ここでいう時効は、文字通り「時の効果」という意味でして、雑駁な言い方ですが、時を重ねて(時効によって)作り上げられた考え方、やり方というのは非常な価値がある、ということです。
「保守とはなにか」「伝統とは何か」という問いに対する一つの答えでもあります。
なにやらこむつかしい話をし始めていますが、今少しお付き合いを。

 例えば、格言や諺(ことわざ)。
 昔から、ある事柄について何度も何度も失敗や成功が繰り返され、そのことを後世に伝える価値があるということで生き残ったものがこれです。
 過去、何百万人、何千万人の先人達の行為の結晶である訳です。
 従って、人生迷ったら、これに従えばだいたい間違いありません。

 私が好きな格言。
「情けは人のためならず」
 意味は、「情けをかけるとその人のためにならない‥」ということではありません。
 「人に情けをかけるのはその人のためではなくて、結局はそれがめぐりめぐって自分のためになるのだよ。つまり、利己主義はだめ、利他の精神で生活しなさい。そうすれば、全体が良くなり、結局は自分も良くなる。世の中そういうことなのよ。」ということです。
 多分、この格言は人類の歴史の中で早い時期に成立し、支持され続けたと私は思っています。

 さて、話が随分遠回りになりましたが、以下、昨夜の稽古会でのことです。
 「時効」に関連して2つのことを感じました。

■「切り」において「8枚重ねにすべきか、12枚重ねにすべきか」という問題について。
 高◎さんは今度3段を受験します。粉の量は、1.5kgです。切りにも気合が入っています。
 この量であると通常は12枚重ねで切るところですが、8枚重ねで作業をしていました。
 多くの人やプロは12枚です。つまり、「時効」が教えるのは12枚なのですが、なにかそうしてはならない特殊な理由(わけ)があるのでしょうか。それがあれば、そうしても良いと思います。しかし、聞けば、それほど強い理由はないようです。
 であれば、「時効」に従うべきです。
 ひとりの人間の知恵というのは知れているのですから、強い理由が無ければ多くの先人の教えに従って、まずはそれを訓練すべきだと思います。

■「一気加水か逐次加水か」という問題。
 ビールの時間になった時、隣に座った稲◎さんとの会話です。
 我々素人が使うべき評価基準は、どちらが美味い蕎麦になるのか、です。
 しかし、これは大変難しい問題だと思います。
 そもそも、美味いの基準が人それぞれです。そしてまた、粉と水が結合する微細・絶妙の世界のことや、美味さとの因果関係をを明快に説明できる人が、一体全体世の中にどれほどいるのでしょうか。
とすると、これはまさに経験の世界に問うしかないと思いますね。
 つまり、プロはどうしているか?
 私の知る(管見の)限りでは、概ね一気加水のようです。であれば、これに従うしかないのではないでしょうか、と思いますね。
 そして、一気加水にすれば、時間も短縮出来るし、肝心のお味にもそんなに影響ないじゃん、ということではないかと思います。
 勿論、特段の(断固たる)理由があれば、逐次加水をすれば良いのです。


 このように、そば打ちうをはじめ伝統的技術というのは「時効」で成り立っている部分が多いと思います。
 まずは教えに従うということから、ということではないでしょうか。

 最後に、再び「時効」について。
 「時効」というのは、保守の考え方です。革新に対置する観念ですね。
 このところ、多くの政治家がなにかにつけ「改革、改革」と叫んでいます。私は本当にそうかなぁ、と思いますね。
 アメリカのオバマさんも「チェンジ、チェンジ。Yes we can.」と叫んで大統領になりました。私は、なんだか、変えなけりゃいけないという強迫観念に取り付かれているだけじゃないの、と思いましたし、we can (即ち「I」 can )なんて、ちょっとおこがましいと感じました。
 それでも、結果は、民主党の政権交代やオバマさんの大統領就任ということになり、つまりは国民の過半数以上がそうあるべきだと考えていた訳です。
 でも、今は、日米両国民ともに大いに反省しているように見えます。
 そこで、ですが、我々は一体何を反省しなければならないのでしょうか。
 それは、増長しちゃいけないということ、改革とかチェンジによって過去の教えを無視するようなことをしてはいけない、ということではないでしょうか。
 (今生きている)人間の知恵なんぞ知れています。

 先人達が時を重ねながら積み上げ、精製した教えを、まずはじっくりと聴くべきなのです。
 即ち「保守」です。「伝統」という言葉に置き換えても良いかもしれません。
 墨守せよということではありません。そこを基点にして考えるということが大事だということを言いたいのです。
 いうなれば改善という姿勢ですね。ゼロクリアの改革というのは眉唾ではないか、と私は思います。

 話題の、ハトヤマ、オザワ、カン‥なんてのは、そういうセンスがない、只今現在の自分だけが可愛い、という人達なのですね。いみじくも民主党のキャッチフレーズにそのことが良く現れています。
 「(今の)国民の(今の)生活が第一
 なんかおかしいですよね。







コメント

  1. 麺殿 | URL | -

    逐次加水と一気加水

    多くの仲間の方とそば打ちの後、一杯やりながら蕎麦談義のできる環境をうらやましく思います。
    (検証無しの私見ですが)一気加水は粉と水を混ぜて均質な団子を沢山作り、逐次加水は、まず小粒の米粒を作り、次にそれを合わせた小さなおにぎりを沢山作ってるように思います。逐次加水は元になる米粒をある程度均質にできればおにぎりたちもほぼ均質になりますが、団子たちは外見上はそろっても、内部の保水量に差が生じやすく、毎日作業しているプロだからこそ団子たちを短時間で均質に出来るのだと思っております。

  2. 多楽 | URL | fJvsSK6s

    辞めるの止めないで

    本年もよろしくお願いいたします。

    蕎麦打ちの切りも加水も正直どうでも良い
    最後の数行に言いたいことが有る!
    そう感じましたが・・・。

    蕎麦打ちに改革を唱える人が現れませんように・・・

  3. たか陶 | URL | G5Zeud3U

    re:逐次加水と一気加水

     高橋邦弘氏の水回しは、一気加水ですので、砂粒、米粒の段階は無いように見えます。
     見た感じは、細かく引きちぎられた紙片、あるいは花びら状のものから始まっているという感じです。
     それでいて、出来上がりのお味は悪くはありません。

     総合的な味に対する影響度はどっちでも大差は無いのかな、と思えます。(それよりも、材料、太さ、切り揃え率、茹で等々の影響が大きい? 最近、延しの影響が結構大きいのではないか、と思っています。)

     最低限のラインとして、ダマ(割ると水分たっぷりのヤツ)がごろごろしているようなことにならないようにする、というところでしょうか。

  4. たか陶 | URL | G5Zeud3U

    re:辞めるの止めないで

     次は、何かで読んだ話です。
    -------------- 
     なんでもかんでも新しいのがいいと言う人がいるが、その人は赤子に等しい。
     赤子は、何も知らないから目に映るものが全て新しいので、いつも驚きの目でそれを見る。
     大人は、経験を積んでいるし、歴史から学ぶということも知っているから、騒ぎはしない。
    --------------

     改革だとか革新だとか、キラキラした目で語る人は要注意です。それが話だけならまだしも、どこかの政府の要人達はその権力を濫用して、本当に変えてしまうとしていますから、大変なことです。
     静かに蕎麦でも打って、伝統について、時効について考えて貰いたいものです。が、無駄だな、きっと。

コメントの投稿

(コメント編集・削除に必要)
(管理者にだけ表示を許可する)

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://mokuyokai.blog18.fc2.com/tb.php/57-b776b4f5
この記事へのトラックバック


最新記事


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。