そば打ち選手権団体戦

2010年12月05日 22:31

かって「料理の鉄人」というテレビ番組がありましたが、「そば打ち選手権団体戦」もそれに似ており、そば打ちの技術を競技として行うものです。
 今回、これに選手として参加してきました。
このそば打ち選手権団体戦は、11月28日(日)、会津若松で催された「会津のかおりそばフェスタ」の中で行われたものでして、このイベントを盛り上げるとともに、団体戦の主催者である全麺協(の東日本支部)が掲げるそば文化の普及という効果もねらって行われたものです。
 
 それはそれとしまして、我々競技参加者の目的としては、準備の過程も含めてそれぞれの技術の向上を図るというのが一番の眼目になる訳です。

 団体競技としての構成は、3人一組で1チームとなって、二八1k、生粉(きこ;10割)1.5k、更科1kを一人づつ打ち、それぞれの採点結果の平均値で優劣を決めるというものです。全部で10チームが、参加しました。
 内容もバラエティに富んでおり、一応、近在の素人蕎麦打ち同好の団体が精鋭(?)を出場させていますので、なかなかの見ものだったと思います。
 私は、さいたまそば打ち倶楽部「還暦チーム」の一員として二八を打ちました。(ただし、私は精鋭ではありません。)

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 二三、感じたことを書きます。

■久しぶりに多量のアドレナリンが脳内に噴出しました。
 競技が始まるまでは、まるで小学校の運動会の徒競走で、順番を待ってしゃがんでいる時の気分です。徐々に近づく自分の番、高鳴る胸の鼓動、白さを増す頭の中、そして服を触ったり、包丁を触ったり、どんどん無くなる大人の落ち着き‥。そして、号砲がなれば一気に駆け出してあっというまにお仕舞い。
 そういえば、小学校の頃は、前の晩には興奮してなかなか寝られない、なんてこともありました。
 でも、今回、会津では美味しい酒を少し多めに頂いて早めに寝てしまいましたが、いつもとは違う興奮状態にはありましたね。 
 こういう気分を時には味わうのも良いかもしれません。

■私個人は、うまく行きませんでした。
 蕎麦粉は「会津のかおり」という、会津地方で今売り出し中の品種の粗挽き粉でした。
 粗挽き粉は、打つのが難しいのですが、同じ粉で予め予行練習をし、ほぼ問題なく打てましたので、ある程度自信をもって出場しました。しかし、実はそれが大きな誤りのもとでした。
 競技の日までに、2回ほど、同じ粉を使って練習をしたのですが、比較的うまく出来上がりました。同じく練習をした、私よりも熟達した方々がボロボロになってつながらないと言っていましたので、私としては益々変な自信を深めたのでした。(なぜうまく繋がらないのか、については別途書きます。)

 こうして、競技を少し甘く見て現場に臨んだ訳です。さらに、前日の少し多目のお酒が翌日にも効いていて、多少散漫な気分になっていたことも否定できません。
 当日は、勿論、緊張感を保ってはいるのですが、いうなれば、心に隙があったということなのですね。

 結果は、全般に動作が鈍くなってしまい、適切な集中力が必要な「切り」がうまく行きませんでした。
 本当に、お恥ずかしい限りで、この歳になって己の生き方に深く深く反省を致した次第です。

■打ち粉を蕎麦粉と間違えてしまった方がいましたが、その後の対応が見事でした。
 打ち粉は、通常小さめのステンレスのボウルに入れて準備されています。ところが、その人の回では、プラスティックのボウルに入れて供されてのです。
 使用する蕎麦粉1.5キロはビニールの袋に入れて台の上においてあります。そして、その脇には500gのプラのボールに入った打ち粉。
 彼は「ははぁ、なんかの理由でそば粉が分けられているな。始まったら、これを足さなければならないな。」と思い込んでしまった訳です。

 開始直後、打ち粉は、あっという間に蕎麦粉に混ぜられ、その直後に、彼はその間違いに気付きました。しかし、軽く攪拌されてしまった蕎麦粉(と打ち粉)はもう分離できない!
 彼は、おちついて、代わりの蕎麦粉と捏ね鉢をリクエスト。
 5分近くの遅れで作業を再開しました。

 これは一種の事故でしたが、その後のリカバリーは見事でした。
 時間内に終了させたのは勿論のこと、切りおわった蕎麦も、私の判定では一番でした。

 私は、事故からのリカバリーの適切さ、作業結果の見事さから、ひょっとしたら審査結果は最優秀との評価を受けるのではないかと思いましたが、審査員による評価は大変低いものでした。
 ゲームとしての競技ということでいえば、そうなるのでしょうが、事故を乗り越えた技量の高さに対してもっと評価しても良いのではないかという思いに大いに駆られました。ましてや、娯楽性の高い、「団体戦」ですものね。

■しっかり練るのも良し悪し?
 生粉(きこ;10割そば)1.5kgの競技で、10人中お一人だけ、うまく纏まらずにボロボロになってギブアップした方がいました。相当の熟練の方のはずですがどうしたのでしょうか。
 ずっと見ていたわけではないので、正確にはわかりませんが、加水不足がまず第一にあり、加えて練り過ぎではないかと思いました。その方の練りは、(例の)両手を交互に前後に動かして、片手毎に練るというやり方でした。グイグイと麺帯を引きちぎる様にする、いわゆる足を出すというやりかたです。
 このやり方が適用されるべき場合もあるのでしょうが、私は一般的には不適当なような気がします。特に、生粉打ちの場合には不適当といわれています。

 このような練り方は、ドウの内部に不連続面を作ることになるので、そこから麺が切れるもとになります。
 私は、「練る」ということは必要だが、もっと大切なのは「搗き固める」ということではないかと思っています。少なくとも、ドウとして最終的に纏めるに際してはこれが大変重要です。さらには、延しの段階にもこの考えが大変重要であると思います。(これも、別途書きたいと思います。)


 競技の行われた地は、会津若松。
 歴史ある、大変落ち着いた地方都市です。
 お酒も温泉も良かった。
 来年は応援者として参加し、ゆっくり観光もしたいと思います。


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