打ち粉の役割

2010年11月02日 08:09

 打ち粉の役割には、次の3つがあると思います。
 (下記のうち、1項は2項の変化形と考えれば、大きくは2つといえます。
  すなわち、「滑りやすくする」と「滑りにくくする」の2つ。 )

【役割1;くっつき防止】
 打ち粉の一番の役割は、麺生地同士あるいは麺生地と麺打ち台との接着を防止することです。
 巻き延しのために生地を巻き取ったり、「切り」のために畳んだ状態など、平面同士で強く接する場合、(特に水分多めに仕上がった場合には、)打ち粉を十分に撒かなければなりません。
 また、「切り」の際にも、この役割が求められます。麺帯を包丁で切断した瞬間、畳んだ麺帯の上面に敷いた打ち粉が切断面のみずみずしい部分にはらはらと降りかかることで、麺同士の接着を防止する訳です。

 ※上の場合の打ち粉の量は、概ね、次の2番と3番の中間の量になります(よく分からない表現ですが、要はくっつかない程度の適量(?))。


【役割2;麺生地を滑らす】
 延しの作業では、広げられた麺生地(の手前部分)を麺棒で上から加圧することで、そこから先のほうの生地が前方に向かって伸びて(移動して)行きます。この時、麺生地と延し台の間に何もないと、湿気によって接着しやすくなり(=抵抗が大きくなり)、この延しの作業がスムーズに行きません。
 このため、生地を延し台の間に打ち粉を散布して、すべりを良くする必要があります。これは例えていえば、コンクリートの道路の上に砂利をバラバラッと撒いた状況で、知らずに歩くと転んでしまう状況です。もう一つ例を挙げれば、重量物を動かすときの「コロ」ですね。
 こうすれば事故なく延しがスムーズに気持ちよくやれます。

 ※この場合の、打ち粉の量は「少量」です。

jari1.jpg
(道路上に散在する砂利。スリップしやすい状態です。)


【役割3:麺生地を滑らさない】(‥上と反対の役割です。)
 切りの作業では、麺帯が容易に動かないことが必要です。
 そのために、麺切り台の上に厚めに打ち粉を敷きます。
 これは、例えていえば、鉄道のレールにぎっしりと積み上げられた砂利です。角張った砂利(砕石)が積み重ねられているので動きません。打ち粉も、(電子)顕微鏡写真を見ますと、まさに採石状になっていますので、積み上げると動きにくい性質を発揮するのだと思われます。
 なお、麺帯の下に粉を厚めに敷くことで、イカダが出来にくくなるという付随的な効果が得られます。

 ※この場合の打ち粉の量は「多量」です。

jari2.jpg
(ぎっしりと詰まった砂利。動きにくい状態です。)

 さて、同じく切りの作業の際、麺帯と小間板の間の打ち粉の量は、どうすべきかという問題があります。
 私は、上記と同じ考えで、多量の打ち粉を敷くべきだ、と思っているのですが、先日、仲間に話しましたら、数人は【役割2】の考えであるべきだ、と言っておりました。多量に敷くと小間板がスムーズに滑らなくなるから、というのが理由でした。しかし、小間板を1ミリ程度(ある程度強い力で)ぐっと動かすのに、滑りを考慮する必要があるのかなぁ、という気がしますし、【役割1】で触れたくっつき防止効果も考慮する必要がありますから、やはり多目の量が必要ではないかと思っています。
 どうなんでしょうか。



 そうはいっても、基本的には、打ち粉を必要以上に大量に使うのは好ましくないと思っています。打ち終わったときに山のような粉が、切りカスとともに発生するのは格好も悪いし、適量というのがきっとあるはずだからです。


 打ち粉の役割として、麺生地を「滑らすため」と「滑らさないため」という真逆の効果があるというのが、私は、面白いと思います。
  


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