新タイプ麺棒(3) カーボン麺棒

2015年10月05日 21:38

 新型麺棒の3番目(最後です)は、カーボン麺棒です。
 現在、小職、試用中ですが、その使用感などを記したいと思います。
ka-bon1.jpg

 カーボン麺棒がどういうものであるか、まずは↓(開発製作者ホームページ)をご覧ください。
http://www.mamos.jp/soba.html (ユニークな道具類の製作ほか)
 素材としての炭素繊維とは、どういうものかは↓をどうぞ。
https://www.mrc.co.jp/knowledge/tanso.html (三菱レイヨンのHP)

 特徴は、「軽くて強い」ということと「変形しにくい」という点にあるようです。
 「軽くて強い」し、気温差があっても「変形しにくい(=形がずれない)」ので、航空機や人工衛星などの部材として適していることから、航空宇宙産業に活用されています。問題は、価格の高さにあるようで、航空宇宙産業では十分にペイできるのでしょうが、家庭用品として普及するには時間がかかるようです。

 さて、カーボン麺棒ですが、この数か月は道場に置いておいて、誰でもが使用できるようにしています。使用後の感想を貰うようにしているのですが、集約すると大体次のようになるようです。

1 非常に軽い
 手に取って最初に感じるのがこの点です。
 麺棒作業が軽やかに行え、気持ちが良いですね。
 ある人の感想の中に、軽いので転がしにくいというのがありましたが、麺棒を転がす際は、(上半身の)荷重を掛けながら行うわけですので、麺棒の軽重はあまり関係ないはずです。
2 滑り具合が適度 
 非常に良いです。
 製作者によると、2液の艶消しウレタン塗料(乾燥後に硬度が高まる)を塗布し、滑り具合を見ながら研磨をしているとのことです。
 製品は、一種の織物ですので、繊維の凸凹があるため、これが良い効果を出しているのではないかとも思われます。極端に"つるぴか"だったりデコボコが大きいと滑りにくく、その中間に適切な粗度があるのですが、それに近い状態になっていると思います。こちらの記事、参照。
3 維持管理が容易
 木材などと比べると、遥かに強いですから、普通の扱いをしていればほとんど傷はつかないようです。また、水拭きするだけで特別の手入れをすることなく、前項のすべりの良さが維持できますので、管理が楽です。数か月間、道場に置きっぱなしで様々な人が、テキトーに使っているはずですが、特段の変化は見られません。
 「延し棒は消耗品である」という言葉を聞いたことがありますが、カーボン麺棒はかなり長期間、性能を保ちながら使えそうな気がします。この意味では、プロ向きかも知れません。
4 しなりが小さい
 強く変形しにくいということは、木材の麺棒のような"しなり"が小さいということです。 一般に、麺棒操作ではこの"しなり"を利用すると言われていますので、そうであれば、この点は短所と言えるかもしれません。
 しかし、延しというのは基本的に麺生地の厚くなっている箇所(凸状の箇所)を圧延して均等な平面にする、ということですから、かえって"しなり"の少ない方が均等な厚みにし易いかもしれません。この辺のことは、別途検討してみたいと思います。

 さて、カーボン麺棒の今後についてです。
 私は、大いに使用されるようになるではないかと思います。
 テニスのラケット、釣りざお、ゴルフクラブ等々、以前は木製、竹製、金属製などでしたが、現在はほとんどが、カーボン製となっています。注目すべきは、いずれの場合も、操法自体は全く変わらないで、素材だけが時代に合わせて変化しているという点です。
 これらの製品は、歴史的に見て一種の伝統的製品と言えます。伝統というと、単純には「昔から変わらずに伝えられているもの」という捉え方をしますが、必ずしもそうではなく、「時代に応じて変化する部分があっても大切な部分が維持されている」という捉え方が適当です。上の例で言えば、本質的なことは変わらずに道具の素材のみが変化している、ということです。
 カーボン麺棒について言えば、道具の素材のみが変化し、蕎麦打ちの全体は変化することなく維持されている訳ですから、伝統が守られている、と言えます。
 伝統、伝統と言っていますのは、我々の蕎麦打ちというのは、自分の喜びや他人の喜びのためだけではなく、やはり、我が国に数百年続いている伝統文化を守り伝える、という捉え方も大事だと思うからです。

 カーボン麺棒は、"しなり"の点で改善が望まれるように思いますが、恐らく容易に改善できるでしょうから、使用感の面で(も価格の面でも)木製麺棒より優れたものが手軽に入手できるようになり、やがて、テニスラケット、釣棹、ゴルフクラブと同様、麺棒の主流になっていくのではないかと思います。

ka-bon3.jpg




 【ご連絡】10月10日~12日、松本そば博で蕎麦を打っています。ブースは「北海道そば」ですが、作業場は「松本市大手公民館(下図)」というところの2階です。今回、このカーボン麺棒を使い倒してみようと思っていますので、お越しの方は覗いてみてください。
松本市大手公民館(そば博会場近く)」





コメント

  1. 製作者 | URL | YHDa1XhM

    ご紹介ありがとうございます。

    しなりに関してが一番の気かがりな所でした。
    使い初めの頃、そこが気になったために本年2月に多少曲がり(しなり)易くした麺棒も作ってテストしてみました。
    更にやや細くして、もっと曲がり易くした物も作ってあります。
    未だに交互に使い分けているのですが、どちらが良いかの結論は出ていません。
    どちらかと言うと、従来の張りがあってしなりの少ない麺棒を使うことが多いです(但し、私は蕎麦打ち初心者です)。
    この方が全体を均一に延せる気がします。
    そして時々は、細身でしなり易いサブ麺棒も微調整に使っています。
    もっと曲がり(しなり)易い麺棒を作ることは容易な事です。今後もいろいろと検証してみたいと思います。

    要は好みに依るところが大きいと感じています。

  2. ブログ主 | URL | G5Zeud3U

     この麺棒、今日も道場で使ってきましたが、まずは、軽いのが良いですね。
     滑り具合も良いと思います。水で軽くひと拭きするだけで、一定した滑り具合が安定的に得られます。
     しなりの効用については、実のところよく分かりません。しなりがあった方が良いとは思いますが、この麺棒で今の所特段の痛痒は感じていません。
     上の2点のメリット(軽い、いつでも滑る)が優っているので、総合評価としては「良い」ということになると思いますね。

  3. 千葉洋三 | URL | -

    松本そば博の参加

    四段受験のため県外のポイントが必要の為と四段受験する練習するために是非に
    2人(1人女)出席お願いいたします。どうすれば参加で来るのですか?教えてください。
    千葉県長生郡長生村岩沼1762-4千葉洋三

  4. 管理人 | URL | G5Zeud3U

    松本そば博の参加

    別途、ご連絡をいたしました。

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