作業台の高さについて

2014年03月25日 14:48

 前回は、踏み台と関連して、作業台はどの位の高さが適当なのだろうか、という話題でした。
 これを受けて、ふと、「皆さんが適当と感じている高さはどのくらいなのだろうか。統計をとったらどうだろうか。」と思い付きまして、うちの倶楽部で調べてみました。 今回の内容は前回の続編です。
 先週の稽古会に参加した、9人の仲間にご協力を得て次のデータをとりました。
データ表
採寸の図
 
 表の内容ですが、白抜きの部分は、基礎データとしての、「段位」、「身長(L)」、「手先の高さ(a)」及び「親指の高さ(b)」です。(abを測ったのは、高橋邦弘氏がこれを一つの基準とされているからです。)
 そして、各人が木鉢作業、延し作業を行うときに使用する踏み台の厚さを元にして、各人が最適と思っている「木鉢底までの高さ(k)」及び「打ち台の高さ(u)」を求めました(青色の欄)。

 この結果、木鉢底の高さについては平均71.2㎝、打ち台については平均72.6㎝となりましたが、皆さんの体格は異なりますから、この単純平均では意味がありません。

 そこで、高橋邦弘氏が提唱する「木鉢底の高さは指先の高さ付近、打ち台の高さは親指の高さ付近が良い」を一つの基準にして、それと比較をしてみました。これが緑色の欄です。
 そうすると、その平均値によれば、木鉢は高橋氏が提唱する基準よりも6.1㎝高く、打ち台については1㎝高くなりました。

 下の図は、これをグラフにしたものです。
 対象者9名は、平均的に、それぞれ6.1㎝、1.0㎝だけ高めが良いと感じている訳です。
木鉢底との関係
打ち台との関係

 対象者の皆さんの好みの高さは、木鉢作業については、高橋氏よりも割と高めに、また打ち台については高橋氏とほぼ同じ位の高さになりました。そして、木鉢の高さについては、ばらつきがあります。

 私の実感としては、この結果のように、木鉢の高さは、やはり指先の高さ(a)では少し低すぎて、腰に負担がくるように思います。
 打ち台については、概ね親指先の高さ位が適当なような気がします。

 さて、データを取りながら気が付いたのですが、体格には大きな個人差があります。そして、手足の長さというのは思ったよりも身長に比例しておらず、大きい人が手が長いかというとそうでもないようです。
 従って、手の長さを基準にするのではなく、身長を基準にした方が良いかもしれません。特に蕎麦打ち作業では、体を折り曲げながら上半身の重量を使っての作業が多いですから、身長を基準にした方が良いような気がします。

 そこで、対象者が良いと感じる高さと各人の身長との比を取ってみました(上の表の黄色欄)。
 そして、それらをグラフ化したのが次の図です。
身長と木鉢高の比
身長と打ち台高の比

 図のように、木鉢の場合は身長の42.6%、打ち台の場合は身長の43.3%が適当であると思われているようです。

 もっとも、この数値は、9人の「好み」の平均ですから、あくまで参考値ということに過ぎません。
 ちなみに、私の身長(164㎝)に換算すると、木鉢底は69.8㎝、打ち台の場合71.0㎝になります。(私の感じる最適値よりも2㎝ほど高い数値です。)

 恐らく、上の数値は、団体ごとに異なるのではないかと思います。
 各道場などに準備されている踏み台の種類等は決まっていますし、蕎麦打ちを始めた頃から「こんなもんだ」と思いながら練習を続けていますから、団体ごとにある程度固まった数値に収斂するのではないかとに思います。

 
 ということで、今回は、何か面白い結果が出るかなぁと思いながら統計を取ってみたのですが、特段の成果はなかったようです。(その割りに図を作ったりするのに手間がかかってしまいました。)

 何かの参考にしてください(って、あまりならないか。)





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コメント

  1. 麺殿 | URL | -

     とても面白い企画と思い拝見してます。私は、打ち終わってから腰に来る場合とそうでないときがあり不思議に思ってましたが、あるいは場所による打ち台の高さの違いがあったのかもしれません(鈍感なのでこれらをあまり感じてませんでしたので今度計測してみます。)
     (高橋名人はかなり前かがみのお姿勢ですが・・・)

  2. 管理人 | URL | G5Zeud3U

     麺棒や包丁に関心を持つことと同じくらいに打ち台(の高さ)についてもに関心を持つべきだと思います。

     これに関連して…、
     私は「捌く」という言葉が好きです。
     蕎麦打ちでは、他の料理と違って、体全体を使った調理になりますから、「体捌き」という、「体」を上手く使うということが大変重要になって来ます。
     まるで日本舞踊を舞うように、…というのが一つの理想ではないかと思います。ちょっとオーバーですが。

     さて私、あるとき、3日間、朝から夕方まで休みなく蕎麦を打つという機会がありました。(一日当たり、2キロ玉を十数玉でした。)
     始まってしばらくして、このままでは途中腰を痛める、と感じました。大きい筋肉を使って作業をしていたからです。
     それで、直ぐに体重を使った(体の重心を、きっかけを与えながら、動かす)やり方に切り替えました。 説明するのが難しいですが、見た目には、なんとなく投げやりな感じの体の使い方です。
     生地に圧力を掛けるときには、体を預けるようにし、体を離すときには、小さい力で反動を使うようにする、というような、省力(省筋力)で体を動かすわけです。(どういう訳か、その時パッとひらめきまして、うまくやれました。)

     つまりは、小さい力で、体重をうまく使う(重心をうまく動かす)、つまり「上手な体捌き」ということなのですが、武術や日本舞踊などに通じるところがあるような気がして、今、この辺のところをうまく整理できないかと思っているところです。

  3. なか@船橋 | URL | ILIMsvHM

    定量化に感謝

    なかなかデータ化が無い中、定量化お疲れ様でした 参考にさせていただきます。
    身長:178 指先:65 親指:73 現在の打ち台:83です。
    5cm位下げるかな・・(笑)

  4. 管理人 | URL | G5Zeud3U

    83㎝は、ちょっと高いかもしれませんね。もちろん一概には言えませんが、この機会にいろいろとやって見られたら良いと思います。

     次回の記事も参考にしてください。

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