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踏み台―作業台の最適な高さとは? 

2014年03月18日 11:08

 3月2日に「全麺協素人そば打ち会員対抗選手権大会」という一種のチーム対抗競技会(12チームが参加し、1チーム3人で、二八、更級、生粉を打つ。)がありました。私は、そのスタッフで参加いたしまして、例によって、皆さんの道具類等をゆっくり見させて貰いましたが、今回は「踏み台」について、少し。 (前回は「ちりとり」「麺棒」について、でした。)
 この大会は、個人で受験する段位認定大会とは異なり、チーム対抗の競技会ということで、それぞれの代表選手的な人たちが出場しています。したがって、見ごたえもあり参考になることもたくさんありました。
 今回、踏み台が多用されておりまして、作業のし易さという点に大きな関心が寄せられているということが伺えました。

 で、その踏み台について、紹介します。

 まず最もシンプルなモノ。
 樹脂製のすのこを2つ重ねたもので、単純に2枚重ねてあります。(打ち台の真下にあるのは、主催者準備のもの。)
IMG_0530.jpg


 上と同一素材ですが、切れ込みをいれて足元が奥まで広げられる工夫がしてあります。他の踏み台もこのような凸型が多かったようです。どうせ作るんならここまでやろう、…ということだと思われます。
IMG_0531.jpg


 次のタイプは、発泡スチロール製?の厚みのある板材を加工したものです。適度な大きさに分解して容易に持ち運びができるような工夫がしてあります。
IMG_0528.jpgIMG_0529.jpg



 最後のものは、木材の板を使ったものです。
 中央部分が蝶番で結合されていて、2つに折れるようになっています。更に、写真では見えませんが、向こう側には取っ手が付けてあり、二つ折りにした状態で手に提げて運べるようになっています。
 高さについてみると、この踏み台だけは最適な高さが追求されています。(他のものは、いわば既製品です。)
IMG_0527.jpg


 さて、踏み台の写真は以上ですが、これらが物語っているのは、多くの人にとって、汎用作業台が高いということです。(ちなみに75㎝です。)
 でもこれは、当然と言えば当然のことでして、背の低い人は踏み台で調整できますが、背の高い人は調整しようがありませんから、(汎用品としては)背の高い人に合わせざるを得ないのですね。

 では、最適の作業台の高さとはどのくらいなのでしょうか。
 どのくらいの高さに設定するのがよいのでしょうか。
 人によって体格や感じ方がことなりますから、もちろん一概には言えませんが、次がひとつの参考になると思います。

 高橋邦弘氏は次のようにいっています。(青文字が引用文です。)

「名人・高橋邦弘 こだわりのそば打ち入門」(NHK趣味悠々)13p
<引用開始>
木鉢
…高さは自然に立って手を伸ばしたときに、手の先が、木鉢の内側の底と同じになるのが理想的です。…
…姿勢の基本は足を肩幅くらいに開いて、木鉢を真上からのぞき込むようにすること、膝は軽く曲げ、力を入れるときに、微調整ができることが大切です。

延し台
…自然に立って手を伸ばしたときに、親指の先が延し台と同じ高さになるのが基本になります。…
…姿勢は軽く足を広げて延し台の正面に立ち、上半身の体重をやや前にかけます。…


打ち台の高さの目安

<引用終わり>

 一方、高橋氏の師匠筋にあたる片倉康雄氏は、自著の中で次のように言っています。 師匠は少し高めがお好みのようです。

「片倉康雄 手打そばの技術」140p
<引用開始>
延し板の据えつけ方
 延し板の高さは、高すぎても低すぎても姿勢が崩れてしまう。丹田に重心がくるような位置が一番よいが、そうするためには、「気をつけ」の姿勢で手首の位置の高さくらいに調整する。これが、正しく楽な姿勢で仕事のできる、延し板の高さである。

<引用終わり>

 実際、著書の中の代表的写真を見ると次のような感じで作業が行われており、記述どおり、台の高さは腰骨付近になっているようです。
片倉康雄氏と打ち台


 ついでに、打ち台と姿勢の関係を調べてみると以下のような事例があります。
 地方で受け継がれている蕎麦やうどんの打ち方では、座位によるものが多いようで、これだと、かなり高い位置から作業をすることになります。
座位の例
(写真は、全麺協のHPから http://www.zenmenkyo.com/movie.html#prettyPhoto/2/


 その昔、特に田舎には、立ち机自体がありませんから、こういう打ち方しかあり得なかったということでしょう。また、打ち手はほぼ女性ですから、(結果的にですが)筋肉を使わずに比較的楽に打てるということだったかもしれません。 

 更に、江戸時代の蕎麦打ちの様子をみると次のような事例があります。
 ここ↓に描かれています。
 http://www10.ocn.ne.jp/~sobakiri/sobakirisi1.html
 これを見ますと、時代が下がってきて、大きな店などになってくると、(恐らく)動きやすさ等の効率性の観点から立ち姿になって来ているようです。座位では体捌きに制約が出てくるので、仕事(商売)にならない、ということだったと思います。


 さて、最近は特に、高い位置から体重を利用して蕎麦を打つというやり方が多く見られます。
 少なくとも、姿勢が低く台が高すぎる状態(極端にはアップアップした状態)というのは、NGですが、上に記したように「座位」という形態がある(あった)ということを考えれば、台を低く目に設定する分には、いくらでもお好きにどうぞ、ということかもしれません。
 要は、各人の体格や、作業量や、作業のやり方の違いなどを勘案して設定すれば良いことですが、私は、物事を真摯に追求するタイプ(※)である高橋名人の解説を参考にするのがよいような気がします。

 ちなみに、週一の趣味でやっている私(身長164㎝)の場合ですが、延し台は70㎝弱、木鉢はその-数㎝位が具合良いようです。


(※)「そば屋翁 僕は生涯そば打ちでいたい 高橋邦弘 文春文庫」






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コメント

  1. ゴンゴロ | URL | -

    私の麺台は73㎝なので踏み台を使っています、踏み台の高さは13㎝です(身長は160㎝)

  2. 管理人 | URL | G5Zeud3U

     実高は、73-13=60㎝ですね。
     身長が私の方が4㎝高いので、私に換算すると高さ64㎝相当ですか。
     私より低い感じなのですね。
     
     明日、稽古会ですので、私のいつもの状態を実測してみようと思います。

     …と書きながら思いついたのですが、色々な人の感覚を統計してみれば面白いかもしれませんねぇ。

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