四つ出しの、力の入れ所と入れ具合 

2014年01月27日 00:04

 四つ出しは、作業中の状況が見えませんので、難しい作業といえます。
 よくある疑問に、何回転がせば良いのかどこをどのように押せばよいのか、等というものがありますが、通常、ドウの硬さ・柔らかさはまちまちですし、各人の力の入れ方もそれぞれの主観ですから、この疑問に対して一律に答えることはできません。
 結局は、経験的に体得するしかないのですが、そこはやはり、原理的なことを押さえた上で訓練をするというのが大切です。上の疑問に完全に答えられませんが、少し整理をしてみたいと思います。

 四つ出しは、下図のように、緑色の円盤(丸出し)をピンクのような四角にすることです。1回目、2回目でAを出し、3回目、4回目でBを出します。

    角出し01


 下の図は、第1回目(及び第2回目)の四つ出しを終えた状況です。 そして、加圧する際にどこに手を置いたらよいかを示しています。

    角出し02

 北側のAの部分は、円盤の10時半~1時半の範囲から北に向かって伸ばされています。
 この範囲というのは、丸出しの円盤の直径を1とすると、これを底辺とする直角二等辺三角形の他の一辺に相当します。従ってその長さは、「1:1:√2」で計算すると、約0.7になります。
 つまり手を置く場所は、中央線から左右へ7割以内ということになります。この外に手を置いてはいけません


 ところが、四つ出しの際、一時的にですが、端の部分を押す人が意外と沢山います。図の黒矢印の部分を押している訳です。

    角出し03

 こうすると、不具合がでます。
 本来、ここの肉は東西に伸ばすための、伸び代(のびしろ)なのですが、これが南北方向に移動してしまい、この部分が薄くなる訳です。こうなると、次のステップで東西への伸びが、その分だけ悪くなり、「角」が出なくなるか、無理に「角」を出しても薄くなります


 ただし実際は、下図のように、巻いた麺生地は中央部が厚くなっているので、端を押しても、中央部分は圧迫されますから伸びるには伸びます。しかし、上に述べたような不具合がでますし、効率的でありません

    角出し04


 効率性の面でも、不具合防止の観点においても、やはり中央部に手をおいて押すべきです。

    角出し05


 では次に、どのくらいの力を加えれば良いのでしょうか。
 絶対的な値として、〇㎏を加えなさいというのは、冒頭に書いたように言えません。
 言えることは、次の図のように、中央部分は強くその外側に向かっては弱く、そして、0.7の位置より外側はダメよ、ということです。

    角出し06

 その力の大きさは、図にみるように、実は、Aの形(直線上に広げると富士山のような形状になる)に沿ったものとなります。従って、概ね中央付近を押せば良いのだな、ということが分かります。
 ただし、中央部分だけを押すと、変なたるみができたり、一辺が弓のようになた四角形になってしまいますから、中央の少し脇も押してやる必要があります。


 実作業では、原則的に次のような感じになるのではないでしょうか。

    角出し07

  中央部分を主として押す。そのためには、両手をくっつけて、親指をそろえるようにして、しっかり押さえながら転がす、ということになります。(P1、P1)
  そして、副次的に、中心から3割くらいの地点を、比較的軽く押さえて転がします。その幅は、1.5㎏程度の場合で概ね肩幅程度になるでしょう。分布曲線の形状は富士山のように裾の方で極端に小さくなるので、それ以上の箇所を押すのは効率的でありません。(P2、P2)
  中央から7割の距離の外は触らない。(この7割の地点も押してはいけません。)(P0、P0)


 最後に、何回転がせば良いのかということについてですが、これは麺生地の硬度、貴方の身体力(力の出し方)によって変わりますので、一概に言えません。
 一般に、比較的軽い力で加圧すれば回数は多くなりますが、形状は良くなるようです。
 加圧の力を大きくすれば、回数は少なくなりますが、きれいな形状を作るのにやや難点があります。



 今回の記事は、四つ出しの際、巻いた麺生地の端に手をおいて転がす人が意外と多いことから整理したものです。
 そういう方は、最初にそう習ったので、それが習い性になってしまっているということのように思われます。
 もし貴方がそうしていたら、これはやめましょう。


<後記>
 自分で言うのはなんですが、今回の記事の中でのヒットは、「力の入れ具合の分布が富士山のような形になる」という点です。最初からこのことが分かって書き始めたのではなく、図6を描きながら途中で気が付きました。絶対値としての力の量は分かりませんが、中心部近くが大きな量になるということが分かります。つまり、中心部付近をしっかり押して転がしなさいということが図形として分かった、ということです。



コメント

  1. もっちゃん | URL | -

    なんとすばらしい解説でしょう!
    次回のそば打ちで実戦してみます。
    綺麗に四角が出れば、結果的に時間短縮になりますから。

  2. 管理人 | URL | G5Zeud3U

    ありがとうございます。
    成果をお知らせください。

    もっちゃんさんのブログには、美味しそうに盛り付けられた蕎麦の写真がたくさん載せられております。
    どのようにされているのでしょうか。

  3. もっちゃん | URL | -

    当方のブログにレス入れておきましたが、特別なことはしていないと思います。これでいいのか?ってなものです。

  4. 管理人 | URL | -

    とてもいいと思います。
    http://angler-sakamoto.at.webry.info

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