延し(2)-厚みと形の関係

2013年09月02日 15:08

 前回、延し作業とは、①厚みのある部分を把握して、②その部分を加圧し、成形の必要のある方向へ押し出すことである、というようなことを書きました。
 今回は、厚みのある箇所がない場合にどうするか、ということを整理してみたいと思います。いきなり応用編になりますが、厚みと形の関係を再認識する上でも適当と思いますので、以下に記します。
 下の図は、本延し作業の終盤になって、右上の箇所に欠落部分Aが発生してしまった、という状況です。この部分は、畳んだ際に左端(切りの最後の部分)にあたりますので、ここが変形していると、切りくずになってしまう恐れがあります。従って、できれば、直線にしたいところです。
   延し21

 多少の凸凹は目をつぶるという考えもありますが、どうしてもA部分を埋めたい場合は典型的な例として次の2つの方策が考えられます。 (下図参照)

①B部分を操作して、A部分を埋める
②BCの全体を操作して、A部分を埋める。

 ①は、B部分に肉が存在しておれば問題ありませんが、そうでない場合はいわゆる局所最適化となりこの部分が薄くなります。

 ②は、いうなれば、広範囲から上澄みを集めるというもので、ごまかしといってよいかもしれませんが、このごまかしが許容できるのであれば、採用しても良いと思います。

   延し22

 いずれの場合も操作した部分が薄くなりますが、それぞれ、どのくらいの厚みになるのかざっと計算してみます。(単位は㎜。幅80㎝、奥行き115㎝であったとします。)

①の場合
1 B部分の体積Vbは、
  Vb=400×100×1.6=64,000 (㎣)
2 このVbによってAB部分を埋めることになるので、出来上がりの厚さを d とすると、
  400×(50+100)×d=64,000
これを解くと、
  d=1.07㎜

  よって、AB部分の厚さは1.07㎜になります。
      C部分の厚さは1.6㎜のままですので、その差は-0.53㎜になります。

②の場合
1 BC部分の体積Vbcは、
  Vbc=400×(100+1000)×1.6=704,000 (㎣)
2 このVbcによってABC部分を埋めることになるので、出来上がりの厚さを d とすると、
  400×(50+100+1000)×d=704,000
これを解くと、
  d=1.53㎜

  よって、ABC部分(生地の右半分)の厚さは1.53㎜になります。 
      生地の左半分の厚さは1.6㎜ですので、その差は-0.07㎜です。


 貴方は、これをどう見ますか。
 私は、A部分の幅、厚みの分布状況などによりますが、後者によって縁辺部の直線性を追求しています。
 
 なお、操作の仕方としては、下の図のようになります。
 麺棒のA点付近に片手を置いて、適宜の力で(軽めに)スーッと麺棒を転がします。
 もう一方の手は、適宜の場所で麺生地の動きを抑える等のコントロールをしてやればよいと思います。
 また、作業としては、天地を逆にした方がやり易いかもしれません。
   延し23a

 以上、やや応用的な内容ですが、上の図のような形状になった場合、簡単な操作ですので、試してみる価値はあると思います。また、延しの原理にかかわる厚みのコントロールのされ方について再認識できると思います。


 ちなみに、図のような形状になることがままありますが、その原因は丸出しの際の厚さの不均一にあるののではないか、と思われます。



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