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水回し(6) ミクロの世界のイメージ

2013年03月09日 09:35

 延しや切りの作業では麺生地という形が見えてますし、基本的にはその形を変更させるという作業になりますから、その際の操作はある意味分かりやすいといえます。ところが、水回しの作業ではその実体が見えにくいので、粉と水がどうなっているのか、だからどうしたら良いのか、大変分かりにくいといえます。
 そこで、水回しの実体を私なりにイメージ化してみました。

 蕎麦粉は、電子顕微鏡で見ると次のようになっています。(出展;高山製粉HP「蓼科」 )
     takayamaseihun.jpg
 
 ここに写っているのは、ほとんどが澱粉粒です。
 Aはその澱粉粒が寄り集まってブロック状になったもので、Bはそれがバラけて粒になったものです。
 大きさは、ブロックの大きいもの(A)で100ミクロン(0.1mm)程度、澱粉粒(B)自体は数ミクロンで、最近のニュースでおなじみのPM2.5ならぬPM5.0前後の世界です。ちなみに、Cは澱粉粒ではなく「甘皮」が砕けたものと思われます。

 蕎麦の実(丸抜き)の内容物の大部分はこの澱粉でして、Aのようなブロックがぎっしりと詰まった様相になっています。(これを挽くことで、写真のようになるわけです。)
 イメージ的には、「数の子」を細かく砕いたようなものですね。蕎麦の実の中には、この「数の子」が整然としてびっしり詰まっていると考えればよいと思います。
 

 水回しでは、この写真のような状態になっている「粉」に、「水」を加えるわけですが、そうしたら一体どうなるのか‥、私たちはそこのところがイメージとして知りたいわけです。

 下の図1は、上の写真を模式化したものです。
     mizmicr11.jpg

 Aは澱粉粒のブロック、Bは澱粉粒です。(甘皮などは、ここでは省略します。)


 下の図2は、上に加水をして、水回しを終えた状態です。
     mizmicr21.jpg
 
 水回しでは攪拌をしているだけですから、ブロックや粒が、水を媒介にしてなんとかくっつき合っているだけです。従って、図のように隙間も沢山あります。
 水回しの過程で形作られる、小豆状の粒、山羊のフン、ピンポン球等々の状態のものは、実体としてはこのようになっていると思われます。


 図3は、捏ねを行った状態です。
 (実際はドウになっておりますからもっと大きな形ですが、ここでは、図2と対比させた模式図にしています。)
     mizmicr31.jpg

 見ての通り、図2に比べると、目がしっかり詰まっています。
 図2の場合も同じですが、水の表面張力により澱粉粒が(内側に向けて)引き込まれています。
 表面張力というのは、コップ一杯に注がれた水が膨らんでいる様子から分かるように、水の分子同士が引っ張り合っている時の力を指しますが、この力で澱粉粒も引っ張られていると考えられます。
 また、粒同士が全体として接近していますから、分子間の引力も大きくなっているでしょう。

 そして、捏ねることで目が詰められますから、内部にあった水分は外ににじみ出ます。
 面(つら)を出すとか、照りを出すというのはこのことによるものと思われます。


 蛇足ですが、
 以上の例では、澱粉粒しか扱っていませんから、いうなれば更科粉を水だけで打った状態です。
 水が持つわずかな粘度と表面張力で形を保っているわけです。(参;「繋がる」
 従って、更科を水で打つときのポイントは練りではなく、肉分け、延しにおける「加圧」ということになるものと思います。言葉を変えれば、麺生地が引きちぎれないように、「いかに搗き固めるか」ということになります。


 生粉打ち、二八の場合については、次回、イメージ図を作ってみたいと思います。







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