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水回し(1)-完成状態とは

2013年01月20日 18:35

 延しや切りの作業は状況が目に見えますから、作業の良否について論議もし易いのですが、水回しはその実態が目に見えない、いわばミクロの世界ですから、やってることが良いのか悪いのか良くわからないところがあります。
 だから、大きく回せとか、常に粉を動かせとか、あおりを入れろとか、そういう体験を中心にした話になっているようですし、「水の一粒との粉一粒をあわせるのだ」といわれても、一体どうしたらよいのかよく分かりません。
 少し、整理をしてみたいと思います。
 まず、水回しで目標とすべき状態を明確にしなければなりません。
 これをはっきりと認識し、次に、そうなるような訓練を積む、という順序になります。

 では、まず、水回しの完成状態とはどういう状態を指すのかということについてです。
 よく言われるのは、水回しとは「水の一粒と粉の一粒を合わせる」ということでして、イメージとしては適切な表現と言って良いと思いますが、具体性に欠けます。
 水回しの完成状態をもう少し具体的に、私なりに表現すると、
 「材料の粉とそれに加えられた所要量の水とが、できるだけ短時間で、全体として一様な小豆状の粒として合体した状態」
 ということだと思います。

 水や粉の「一粒」とは何を指すのか、ということですが、突き詰めますと、水分子と澱粉の分子の間の引力に絡めた話になるのだと思われますが、そこまで行けませんので、せいぜい蕎麦の澱粉粒の一粒(直径5μ)またはそれらのブロック(50μ~100μ位)に、水がまとわりついた状態をイメージするのが適当であろうと思われます。
 しかし、それでも蕎麦打ちの作業中にはそれを見ることは出来ませんから、実際の作業の上ではあまり参考になりません。
 従って、目で見てわかる最小かつ実用的な状態として、「小豆粒程度」を「水の一粒と粉の一粒が合体した状態」として、ひとつの基準にするのが適当だろうと思います。

 すなわち、(再掲しますと、)水回しとは、「材料の粉とそれに加えられた所要量の水とが、できるだけ短時間で、全体として一様な小豆状の粒として合体した状態」を目指すことである、と言えます。


 水回しを模式的に描きますと次のようになります。
 

 下図A;材料の粉(上)に対して所要量の水(下)が加えられた瞬間です。これを攪拌することで粒状にしていきます。
 下図B;攪拌を始めた状態です。実際は、このように綺麗に行きませんが、何とかしながら最後には下図Dに持っていかねばなりません。
     mizu1.jpg


 下図C;攪拌が進み、
 下図D;全体として一様な小豆大の粒として合体した状態です。
      mizu2.jpg


 これが下図のような状態になってはいけません。
     mizu3.jpg  
 e1,2,3は、「全体として一様」でない、いわば異分子です。のちのち蕎麦に悪影響を与えます。

 ・粉が少なく水が多い状態のかたまりだと、いわゆるダマです。
 ・粉が多く水が少ない状態の粒だと、いわゆるホシです。

 (注;図では、両者は同じ表現になっています。)
 

 下の写真は、水回しが完成した(と言ってよいと思う)状態です。
     mizu4.jpg

 やや大きめのかたまりが見えますが、これは小豆大の粒がくっつき合っているもので、ダマではありありません。(造粒作用の過程といえます。)

 では、上に書いた「所要量の水」によって「全体として一様な小豆状の粒として合体した状態」というのを、どうやって判定するかということについてです。

 一つは、「全ての粒が、小豆大で、色、形ともに均一になっているか」ということです。加えて、「指先に感じる適度のネトネト感(適度な水分)」があるかどうかということです。特に、後者は経験により習得する必要があります。

 このようにして、最終的な「所要量の水」が入った時点で、「全ての粒」の「色と形(小豆状の大きさ)」が「均一に見え」、「指先に適度のネトネト感がある」という状態であれば、水回しは完成です。

 この後、粒を育てて、ヤギのフン状態にし、ピンポン球状態にし…という工程も含めて「水回し」とする説がありますが、これは「水回し」には含まれず、むしろ不要の工程ではないかと思います。
 この工程というのは、小豆大の粒が単にくっつき合うということですし、その次には捏ねという工程があるわけですから、くっつけ合うということにはあまり意味がないように思えます。意味があるとすれば、適度の柔らかさのドウを確実に完成させる必要上、(要すれば水を足すなどして柔らかさを調整しながら)少しづつ大きい玉にしていけるという、いわば安全策ということかもしれません。

 以上、水回し作業の目標とすべき完成状態を一言でいえば、一様な小豆大の粒になっていること、ということだと思います。



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