四つ出し(7)-ゆるく巻く

2012年12月24日 21:55

 前回の(6)の復習になりますが、四つ出しのメカニズムのキモは次の図のようなことだと思います。
    四つ出しの際の生地のたるみ
 巻き取った生地を押さえながら前方に向かって転がしますから、最初にF1という力が加わり、その後、力は連続的にF2という力に移行します。この部分に着目すると、生地は赤色の矢印の方向に伸びます。
 この図の場合は、一般的な前方に押していくやり方ですので、伸び方は前方(図では左側)が大きく、こちらに"たるみ"ができます。

 これと同時に下面では、その反力R(青色破線矢印)が働きますから下面でも赤色の矢印の方向に生地が伸びます。
 そして、これらの伸び分で、長円(木の葉形)が形成されるということになります。

 これをより効率的に行うには、上の図のように生地を単に前方に向かって押すのではなく、前後に揺すりながら(前方と後方に交互に力を加えながら)転がしていけば良い訳でして、伸びの量は単純には2倍になります。
 さらには、生地を押す際に体重を利用して大きな力が加わるようにすれば、一層効率的に伸すことができます。

 最後にもうひとつ、ポイントと思われることがあります。
 それは、標題の「ゆるく巻く」ということです。

 通常、生地を巻き取る際は「しっかり巻きなさい」ということが言われておりまして、様々な教本類や先輩諸氏の指導でも、そういう指導がされています。
 しかし、常にしっかり巻かれた状態を保ちながら作業をすると、巻き取られた生地の内側では、伸びる余地が無くなるわけですから、(理屈上)生地は伸びることが出来ません。無理して伸ばそうとすると、(特に生地が柔らい場合などは)例の富士山や変なとんがりが出来やすくなります。

 また、実際には、最初にきっちり巻いていても、押して転がして行くうちに、上の図のように生地はゆるゆるになりますから、最初にしっかり巻くことはあまり意味がないように思われます。
 であれば、最初からゆるく巻いておいて内側が伸びて行けるスペースを持たせておく方が、効率的ですし、富士山の発生防止にもなるように思います。

 さて、この四つ出しについてのシリーズを始めたきっかけは、なぜ富士山ができるのか、という私宛のメールからでした。
 その点に重点を置いて色々と整理をしてきましたが、ここまでに分かったことは、以上のようなこと及び四つ出しというのは思いのほか難しい作業である、ということでした。
 ということで、そろそろこの四つ出しシリーズは一旦中締めとしたいと思います。
 また何か分かったら、改めて整理を試みることにします。


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