「包丁+腕」の動き

2012年03月03日 12:05

 1.5k玉の場合で、3枚畳みにした麺帯を麺線にするには、約300回のカット作業が必要です。これを、ミリ単位の一定間隔で連続的に実行するのは大変なことでして、「鉢三年、延し三月、切り三日」という俗言が言い習わされていることに疑問を感じます。
 「一定間隔かつ連続的に切る」ということは、言葉を変えれば、「その運動期間内に不必要なぶれ(変位)が生じない」、ということでしょうか。

 そのためには、
その動きがその目的に絞られたシンプルなものであること」、
上の動き以外のぶれ(変位)が発生しにくいこと
 などが大切だろうと思います。


 下の図は、それらのことを達成するための、腕の使い方のイメージです。
udenougoki1.jpg

1 肩関節、上腕、肘関節、前腕、手、包丁が左右にぶれないように一直線の動きになるような機構になっています。
2 肩関節は、空間上に固定されます。
3 上腕は肩関節を支点にして、前後運動のみが行われています。
4 前腕、手および包丁の関係は概ね固定されていて、上腕の動きによって前後運動しています。
5 以上の全体機構は、麺帯を左に切り進むにあわせて、左へ移動します。


 麺線を一回切り出す工程を、横から見た図に表したのが、下の図です。
udenougoki2.jpg

1 肩関節の位置は、空間上(S点)に固定されています。
 往々にして、一回ごとに肩を落とすような動作(頭も同時に動く)が行われることがありますが、これは、不必要なぶれ(変位)になり、切りの目的に沿いません。肩の位置ができるだけ動かないようにすべきと思われます。

2 S を支点にして、上腕の筋肉を使って赤い矢印の方向に上腕が動かされます。
 肘(E点)は、概ね矢印の方向に移動します。
 当然、手(H点)も同じ方向に移動します。

3 手(H点)は包丁に、ほどよく固定されていますから、上腕で発生した力が、効率的に包丁に加えられ、麺線が切り出されます。


 下の図は、切り終わった状態です。
 このあと、もとの状態に復帰しようとして、赤い矢印の動きが始まります。
udenougoki3.jpg


 下の図は、上の2枚を重ねたものです。
 この2枚の絵が連続的に切り板の左に向かって(図では手前に向かって)進んでいくわけです。
udenougoki4.jpg
 


 ちょっと要約しますと、

 目的は、不要なぶれ(変位)を発生させないこと。

 このために、
肩関節(S点)を固定し、
用いる筋肉は上腕部のみにして、
(小手先で処置しないように)機構全体が一体化した動きとなるようにして、
 切る。

 ということかと思います。

 以上は、ある種の理想系を単純化しており、実際には玄妙な腕の使い方(筋肉の動かし方)になっているはずです。しかし、その部分は意識に上らせなくとも、いわばついてくる話ですから、上に書いたことを念頭においた訓練をすれば、少しは良い切りになっていくんじゃないか、と思う訳です。
 


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