阿部氏は斜めに切っていない

2012年02月28日 10:32

 前回の記事で、次の写真を掲げて、次のように書きました。
 「麺帯側の切り跡をよーく見ると斜めになっています。切り降ろすのと同時に小間板を左に送っているから、と思われます。」
    ABEKIRI_20120228101947.jpg
 つまり、いわゆる外包丁というのでしょうか、小間板を左に送りながら、麺帯を斜めに切っているのではないかと考えたわけです。下のビデオを見ますと、非常な速さで切り進んでいますので、そのように見えます。(この様子は、下のビデオの4分40秒からです。)
 


 さて、そこで、以下のように、このビデオの静止画像を切り出して、観察してみました。
 (便宜上、麺線に番号をつけました。特徴的な形状の麺線(やや斜め切りになっている)を「1番」としました。)

①12番を切りはじめ
 12番の麺線に該当する部分の面帯に包丁が当たって、今から切り下ろす瞬間です。
  111.jpg

 注目は、包丁はほぼ垂直に入っているという点です。
 あとでも出てきますが、包丁が斜めに入るということはありません。


②12番切り終わり。包丁倒し始め
 ビデオをあわせて見ないとわかり難いのですが、この写真は、切り終わって包丁が傾き始めている状況です。
  112.jpg


③小間板送り終わり。包丁TOPへ向かう。
 これもビデオを合わせてみないとわかり難い部分ですが、包丁は、小間板の枕を摺り上げながらTOPへ向かう途中です。
  113.jpg

 この段階で、麺帯側の土手の部分が、あの「斜め傾斜」になっています。
 つまり、斜めに切ったからではなく、おそらく、上の②と③の写真の間で、包丁が横に倒れることにより、麺帯側の切り口が斜め傾斜になったものと思われます。
 実は、ビデオを(コマ送り的に)よーく見ますと、もうひとつの見え方が出来まして、包丁に押された小間板が左にずれていく時に、麺帯の上面だけがが引きずられて、結果的に、土手が斜め傾斜になる、という風にも見えます。
 両方の影響で「斜め傾斜」が発生すると思われますが、大きな原因となっているのは、包丁が斜めに倒れることによる直接的な影響ではないかと思います。


④13番切り込み、なかば。
 13番の切りが進み、包丁は半分のところまで来ています。
  114.jpg


 ここで不思議な状況が発生しています。
 包丁はほぼ垂直になっており、上の③で観察された「斜め傾斜」が見えません。
 いつの間にか、12番と13番の間の切り跡の線は垂直になっています。この部分は、何回か繰り返し観察したのですが、なぜそうなるのか良くわかりませんでした。


⑤13番切り終わりの直後。
 13番の切り終わり直後です。
 包丁は小間板送りのため、左へやや傾きを開始しています。
  115.jpg


⑥包丁引き上げ直後。
 13番をきり終わった包丁が、小間板送りをしつつ引き上げられつつある状況です。
  116.jpg

 麺帯の上部が少しめくれているようにも見えます。
 ここで特徴的なのことは、すでに包丁は垂直になっている点です。



 以上から、阿部孝雄氏の切りは、実は基本どおりになっている、ということです。

 冒頭の静止画の「傾斜」部分だけを見て、また、ビデオの早い動きだけを見ますと、「送りながら、切りながら」、という風に見えてしまいますが、実際には、「切り」と「送り」の動作は、しっかりと分けられていることが分かりました。

 あのスピーディな切りも、実は基本の延長なのですね。



コメント

  1. 山崎 | URL | -

    斜めに切ってるようにみえますね

    でも、真下におろして、駒板を送ってるのですね。さすが!!
    素人は楽したいとおもいますね。

  2. | |

    管理人のみ閲覧できます

    このコメントは管理人のみ閲覧できます

  3. 管理人 | URL | G5Zeud3U

    ↑本件ご投稿の方へ(2項の投稿分)

     貴意について、可です。
     ただし、出典を明記して頂くようお願いします。

     詳しくは、別途御調整いたしたく、ご連絡先(メールアドレス)をご教示ください。

     (パスワードは、ご自身の投稿記事について修正等を行う際に必要となるものです。)
     

コメントの投稿

(コメント編集・削除に必要)
(管理者にだけ表示を許可する)

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://mokuyokai.blog18.fc2.com/tb.php/110-1d8f3849
この記事へのトラックバック


最新記事