2015年03月07日 21:57
今回は、四つ出しの完成形の厚みの分布について考えてみましたが、結局は、表題のように、丸出しの厚みとの関係について整理することになりました。
前回書いたように、四つ出しで(最小の)四角形を目指していくと、最も薄くなる対角線部分の厚さは、丸出しの厚さの7割になります。実際は、それよりもやや長めに伸ばす場合が多いようですから、7割弱と見た方が良いかもしれません。
私の見聞する範囲では、1.5㎏の場合で、丸出しの直径は65㎝~70㎝にする人が多いようです。この場合、理想的な四つ出しの対角線は92㎝~98㎝なのですが、実際上、多くの人はこれを105~110㎝にするようです。こうすることで、最終的に切り幅が80~85㎝になるので都合が良いということが経験的に知られているからと思われます。(なぜこうなるかについては、次の機会に。)
さて、前回書いたように一方向の四つ出しを終了した際の、生地の厚みの分布は断面Aのようになります。
中心線の部分が最も薄く、両端(WE部分)は、元の厚みが概ね残っています。凹みの形状は、前回書いたようにNS部の形の相似形です。
これを、東西方向に巻き取って巻延しをする訳ですが、上と同じ理屈によって、厚さは、全体が更に7割になります。生地は巻き取られて均等に加圧されますから、薄くなっていた部分も含めて全ての箇所で厚さは7割です。従って、中央部分の最も薄くなる部分は、元の厚さに対して、最終的に 0.7×0.7=0.49 倍になるわけです。
これは理論的な値で、実際上はやや薄めで推移するようですから、「中央部分は概ね4割程度になる」と考えたが良いでしょう。(薄めに予想しておいた方が安全でもあります。)
全体のイメージとしては次のようになります。
以上のように「四つ出しをした生地の最も薄い箇所は、(角の尖端部分を除くと)中央部分になり、その厚さは丸出しの時の厚さの4割程度になる」ということが言えます。
このことは、厚さの管制を行う上で非常に重要です。
丸出しとの関係を計算すると次のようになります。 (粉の量は1.5㎏の場合でして、容積は1800㏄であるとします。)
表では、丸出しの直径が59㎝の場合から1㎝刻みで計算しています。
番号1を例にとると、
丸出し直径59㎝の場合、厚さは6.6㎜になり、四つ出しの1回目の時の対角線上の厚みは、7割で計算すると4.6㎜に、6割で計算すると4㎜になり、四つ出し完成時では、中央部分の厚さは、4.9割で計算すると3.2㎜に、4割で計算すると2.6㎜になるということを示します。
赤字の番号の欄は、切りの良い数字の場合を示しており、黄色で塗った欄は、直径が60,65,70,75,80㎝の場合で、水色で塗った欄は、厚みが6.0,5.0,4.0㎜の場合を示しています。
これら着色した欄を抜き出すと次の表のようになります。
この表から、直径60㎝では四つ出し完成時に中央部分の厚みは3㎜弱ですから十分余裕がありますが、80㎝にすると1.8㎜以下ということになって、余裕はほとんどありません。
この表から次のことが言えそうです。
・直径75㎝以上(または厚み4㎜以下)は危険範囲? 直径80㎝は危険。
・作業効率的には65㎝~70㎝(または5㎜程度)が最適か。
・60㎝~65㎝(または6㎜程度)は安全。厚みも2.5㎜程度は確保可能。
それからもう一点、極めて重要なことがあります。
以上のことを要約すると、「四つ出し後の中央付近の厚さは、丸出しの厚みの4割程度になりますよ」ということであり、粉の重量や丸出しの直径には直接関係がありません。
例えば、粉重量が624gという変な数字であっても、四つ出し完成時の中央部分の厚さ 2.0㎜ は確保したいのであれば、丸出しの厚みを 5㎜ になるようにしさえすれよいということです。厚さが定まれば、直径はそれに付随して決まる訳でして、直径(形)をあれこれ思い悩む必要はないということなのですね。
地延し以降の「延し作業」では、厚さ優先という意識を堅持することの重要性がこういうところにもあるのですね。
前回書いたように、四つ出しで(最小の)四角形を目指していくと、最も薄くなる対角線部分の厚さは、丸出しの厚さの7割になります。実際は、それよりもやや長めに伸ばす場合が多いようですから、7割弱と見た方が良いかもしれません。
私の見聞する範囲では、1.5㎏の場合で、丸出しの直径は65㎝~70㎝にする人が多いようです。この場合、理想的な四つ出しの対角線は92㎝~98㎝なのですが、実際上、多くの人はこれを105~110㎝にするようです。こうすることで、最終的に切り幅が80~85㎝になるので都合が良いということが経験的に知られているからと思われます。(なぜこうなるかについては、次の機会に。)
さて、前回書いたように一方向の四つ出しを終了した際の、生地の厚みの分布は断面Aのようになります。
中心線の部分が最も薄く、両端(WE部分)は、元の厚みが概ね残っています。凹みの形状は、前回書いたようにNS部の形の相似形です。
これを、東西方向に巻き取って巻延しをする訳ですが、上と同じ理屈によって、厚さは、全体が更に7割になります。生地は巻き取られて均等に加圧されますから、薄くなっていた部分も含めて全ての箇所で厚さは7割です。従って、中央部分の最も薄くなる部分は、元の厚さに対して、最終的に 0.7×0.7=0.49 倍になるわけです。
これは理論的な値で、実際上はやや薄めで推移するようですから、「中央部分は概ね4割程度になる」と考えたが良いでしょう。(薄めに予想しておいた方が安全でもあります。)
全体のイメージとしては次のようになります。
以上のように「四つ出しをした生地の最も薄い箇所は、(角の尖端部分を除くと)中央部分になり、その厚さは丸出しの時の厚さの4割程度になる」ということが言えます。
このことは、厚さの管制を行う上で非常に重要です。
丸出しとの関係を計算すると次のようになります。 (粉の量は1.5㎏の場合でして、容積は1800㏄であるとします。)
表では、丸出しの直径が59㎝の場合から1㎝刻みで計算しています。
番号1を例にとると、
丸出し直径59㎝の場合、厚さは6.6㎜になり、四つ出しの1回目の時の対角線上の厚みは、7割で計算すると4.6㎜に、6割で計算すると4㎜になり、四つ出し完成時では、中央部分の厚さは、4.9割で計算すると3.2㎜に、4割で計算すると2.6㎜になるということを示します。
赤字の番号の欄は、切りの良い数字の場合を示しており、黄色で塗った欄は、直径が60,65,70,75,80㎝の場合で、水色で塗った欄は、厚みが6.0,5.0,4.0㎜の場合を示しています。
これら着色した欄を抜き出すと次の表のようになります。
この表から、直径60㎝では四つ出し完成時に中央部分の厚みは3㎜弱ですから十分余裕がありますが、80㎝にすると1.8㎜以下ということになって、余裕はほとんどありません。
この表から次のことが言えそうです。
・直径75㎝以上(または厚み4㎜以下)は危険範囲? 直径80㎝は危険。
・作業効率的には65㎝~70㎝(または5㎜程度)が最適か。
・60㎝~65㎝(または6㎜程度)は安全。厚みも2.5㎜程度は確保可能。
それからもう一点、極めて重要なことがあります。
以上のことを要約すると、「四つ出し後の中央付近の厚さは、丸出しの厚みの4割程度になりますよ」ということであり、粉の重量や丸出しの直径には直接関係がありません。
例えば、粉重量が624gという変な数字であっても、四つ出し完成時の中央部分の厚さ 2.0㎜ は確保したいのであれば、丸出しの厚みを 5㎜ になるようにしさえすれよいということです。厚さが定まれば、直径はそれに付随して決まる訳でして、直径(形)をあれこれ思い悩む必要はないということなのですね。
地延し以降の「延し作業」では、厚さ優先という意識を堅持することの重要性がこういうところにもあるのですね。
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